ヒトの染色体は46本で、常染色体(1~22番染色体)のペアと、性別によって異なる組み合わせの性染色体(X・Y染色体)のペアからなっています。染色体には多くの遺伝子(ヒトの体や働きの設計図)が詰まっています。
染色体に数や形の変化が起こると、成長や発達への影響、生まれつきの病気や体つきの特徴が出ることがあります。
「トリソミー」とは本来2本(ペア)である染色体が、3本ある状態で、例えば21トリソミーとは、21番染色体が3本ある状態のことです。「トリ」とは3をあらわします。
ダウン症候群は、21番染色体が通常より1本多い「21トリソミー」となることによって生じる先天性疾患です。知的障害や発達の遅れ、特有の顔立ち、筋力の低下などが特徴です。また、心臓や消化器系の異常が伴うこともあります。
治療法はなく、症状の軽減や生活の質を向上させるためのサポートやリハビリが行われますが、個々の症状や支援の必要性は異なります。
エドワーズ症候群は、18番染色体が1本多い「18トリソミー」となることによって引き起こされる先天性疾患です。重度の発育不全、心臓や腎臓の異常、手足の奇形など、全身に多くの深刻な合併症が見られます。
出生後の生存率は非常に低く、多くの子どもが生後数週間から数カ月以内に亡くなります。治療は症状に応じた対症療法が中心で、緩和ケアが重要な役割を果たします。
パトウ症候群は、13番染色体が1本多い「13トリソミー」となることによって引き起こされる先天性疾患です。心臓や脳などの重大な奇形を伴うことが多く、顔や手足にも異常が見られることがあります。
出生後の生存率は非常に低く、多くの子どもが生後1年以内に亡くなります。治療は主に症状に応じた対症療法が行われ、緩和ケアが重要です。